ネガティブな性格を受け入れる重要性。ネガティブ気質を受け入れると自分と上手く付き合うことができる

前回の記事では、元々ネガティブな思考や感情が強い「ネガティブ気質」に関わる遺伝的な要因を紹介しました。

心にはかなりの割合で遺伝的な影響が関わっており、研究の結果、心に違いをもたらす様々な要素も明らかになりつつあるということでしたね。

なかでも、ネガティブな性格に関連する「情緒不安定性」の遺伝率は46%。

不安が人一倍強い、傷つきやすい、自己嫌悪がひどい……といったネガティブな性格には遺伝の影響も強く見受けられるということです。

このブログでは生まれつき不安や抑うつ感、自己嫌悪といったネガティブ感情が強い方を「ネガティブ気質」とよぶことにしています。

今回の記事では、前回の知識を踏まえて、「何故、ネガティブ気質を受け入れることが大切なのか」について書いていこうと思います。

繰り返しになりますが、全4回のこの記事は主にネガティブ感情が強いネガティブ気質な人に向けて書いています。ですので、読んでくださっている方=不安や抑うつ感、自己嫌悪が強いというネガティブ気質な方という前提で書かせてもらっています。

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性格の先天性(遺伝の影響)についておさらい。また幼少期の経験も。

まずは前回までのおさらいと補足からです。

これまでお話したとおり、私達の性格は先天的(遺伝的)な影響を強く受けており、元々ネガティブな考えにおちいりやすいネガティブ気質な人が存在します。

これは前回お話したように、脳内における神経伝達物質の働き方の差、または、不安や恐怖、怒りを生み出す中心と呼ばれる扁桃体の活性度であったりと体質部分が強く関わっています。

(神経伝達物質とは脳内の情報伝達に用いられる化学物質です。扁桃体については今後詳しく解説します)

以前の私がそうだったのですが、

「思考や感情、ものの見方といった、いわゆる考え方や性格はみんなまっさらな状態から始まっている」

「考え方や性格はすべてその人のコントロール可能な部分であり、そこに問題がある人はすべてその人の責任である」

と考えている方も多いかもしれません。

ですが、そんなことはなく、性格や考え方には先天的な要素、つまり、遺伝の影響も強く関わっているということが分かっています。

ちなみにですが、生まれたばかりの赤ちゃんの時からすでに人それぞれに違いが出ています。

さて、私は赤ちゃんの入浴を見ていて、泣く子と泣かない子がいることに気づきました。泣く子は生まれて初めて入浴したときに、おふろいやだ!たすけて!という感じで泣き叫びます。

でも、泣かない子はクレヨンしんちゃんの入浴みたいに、ごくらく、ごくらくとでもいうように目を細めて入浴しています。

『性格はどのようにして決まるのか 遺伝、環境、エピジェネティックス』 p2 著 土屋廣幸

(参考図書:「性格はどのようにして決まるのか: 遺伝子、環境、エピジェネティックス」)

私達は決してまっさらな状態で生まれてくるのではなく、人それぞれ考え方や性格にも個性=個人差を持って生まれてくるということですね。

また、これら生まれつき要素の他にも、あなたが人生初期から幼少期にかけて経験したすべてのことも、性格形成に大きな影響をおよぼしています。

さて、ここで少し考えてみてください。

幼少期にどのような経験をしてきたか。そして、どんな環境で育ってきたか。

はたしてこれらに私達は決定権をもっていたでしょうか?

そんなことはなく、私達は「与えられた」環境の中で育ってきました。

その中で考え、行動し、経験を積み重ねてきました。幼少期の意思決定に決定権というものはほとんどといってないと思います。そして、当然ですがこれらの経験もすべて私達の人格形成に深く関わっているのです。

ネガティブな気質を受け入れると、むやみやたらに自分を責めることがなくなる

以上のことを踏まえて私から提案です。

これまであなたはネガティブな性格に悩み、「何でこんなに自分はネガティブにしか物事を考えられないんだ!」「こんな自分が大嫌いだ!」と自分を否定し責め続けてきたかもしれません。

ですが、それはもうやめましょう。性格形成には自分ではどうしようもないことも実際多いんです。

生まれつきという遺伝の影響に加え、自分ではコントロールできなかった様々な経験も性格形成に大きな影響を与えているのです。

ですので、むやみやたらに自分を責める必要はありません。

性格の先天性(=ネガティブな気質)を受け入れることが大切だという理由のひとつはこれです。

遺伝的要素や性格形成の知識を持てばもつほど、むやみやたらに自分を責めることがなくなります。

何からなにまで自分のせいだと思い込んでいたことでも、中には自分にはコントロール不可能なことも多いということが分かれば不必要に自分を傷つけることもなくなります。

ネガティブな自分を受け入れる。つまり、まずは一旦今の自分を受け入れる。

そのことによって落ち着いて自分と向き合うことができるようになります。

自分と上手く付き合い、自分を活かしていくためにはとても大切な最初のステップです。

ネガティブな気質を受け入れないと、間違った努力をする可能性がある

性格の先天性(=ネガティブな気質)を受け入れる必要があるもうひとつの理由は、「性格の先天性・遺伝的要素を無視し、性格改善を行おうとすると間違った努力をする可能性がある」ということです。

当然の話ですが、元々ネガティブ気質な人でも「不安やイライラを鎮めたい」「落ち着いて日々淡々と過ごせるようになりたい」「前向きで明るい自分になりたい」と日々願っていると思います。

そして自分なりにそういった理想の自分に近づくために努力していると思います。

ですが、その努力はというと、おそらくほとんどの方が

「よし!前向きに考えよう!」

「気にしたってしょうがない。気にしないようにしよう!」

「大丈夫、要は気持ちの持ちようだ」

といった、いわゆる「精神的な努力」をしていると思います。

ですが、このような「精神的な努力」をしてもまったく効果が上がらないという方も多いのではないでしょうか?

私自身、前向きに考える努力は散々してきました。「心が楽になる考え方」「ポジティブな考え方」といった本を読み漁りました。

自分で買うだけでなく、何件も図書館をはしごし、読んだ冊数はゆうに100冊を超えていると思います。ですが、いくら「前向きになれる本」を読んでも心の問題は一向に解決しませんでした。

「物事は考え方次第だ。要は気持ちの持ちようだ」

心の問題となると、このように「精神的な努力」で解決されようとする方が多いと思います。ですが、本当にそれでうまくいくのでしょうか?

私は無理があると思います。正直、散々「精神的な努力」を繰り返してきましたが、この「精神的な努力」はほとんど意味がないと思っています。

気持ちの持ちよう。本当にこれだけで精神状態が上向き、前向きに過ごせるようになるのであれば悩む人なんていません。

どんな人でも明るく前向きに過ごしたいと願い、それなりに気持ちを前向きに保とうと心がけているはずです。ですが、現実問題として、どんなに前向きに気持ちを保とうと心がけても不安や悩みは消えず、それどころか、前向きに考えられないことに自己嫌悪を感じてしまう人も多いと思います。

このような気持ちの持ちようで心の問題が解決するのは元々ポジティブな人限定です。

繰り返しにはなりますが、これまでお話してきたように、考え方やものの見方には先天的要素も強く関わっており、生まれつきネガティブに物事を捉えやすいネガティブ気質な人がいます。

と、それは同時に元々ストレスに強く、不安や恐怖を抱きにくいポジティブ気質な人も存在するということにもなります。

ネガティブ気質な人がポジティブ気質の人の真似をしようとしてもうまくいきません。それは、根本的に脳の構造やそれに伴う脳内物質の働き方であったりという体質面が違うからです。

例えば、太りやすい体質の人が、以下のような元々太りにくい体質の人のアドバイスを聞き、それを真似してやせることができるでしょうか?

「食事?あまり気にしなくていいと思うよ。ストレスなく美味しく食べるのがスタイル維持の秘訣かな!」

(´・ω・`;)  ……………

まったくといっていいほど意味がありませんよね?それは根本的に体質が違うからです。それと同じです。

ネガティブ気質な人がポジティブ気質な人の真似をして「よし、私も気にしないようにしよう!」と考えても、そもそも、ポジティブ気質な人は体質的に不安や恐怖を大して感じていない可能性があるのです。

ですので、元々ネガティブな思考や感情が強いネガティブ気質な人は、しっかりと自分の気質を受け入れて、不安や恐怖。悩み、イライラといった感情に対して正しいアプローチをとる必要があります。

そして、正しいアプローチを取るためには心と身体(もちろん脳も含む)に関する知識が不可欠です。

それでは、心と体の知識を元にした正しいアプローチとはどういったことなのか。それを次の記事でお話していきたいと思います。

まとめ

・私達は同じ脳をもって生まれてきているが、その構造や働き方は様々。特に脳内における神経伝達物質の働き方の差、扁桃体の活性度は考え方や、感情など心の状態に大きな影響をおよぼす。

・性格や人格形成には自分ではコントロールできない部分も非常に多い。むやみやたらに自分を責める必要はない

・精神的な努力で心の問題を解決できるのは元々ポジティブな人限定。ネガティブ気質の人はしっかりと自分の気質を受け止め、正しいアプローチを取る必要がある。

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