神経伝達物質とは?心の状態を決定付ける神経伝達物質について解説します

今回から数回にわたって、呼吸法の効能のひとつである「セロトニン神経が活性化され、神経伝達物質のバランスが整う」について解説していきたいと思います。

今回はセロトニンを理解するための前準備として、脳内で働く「神経伝達物質」について解説していきたいと思います。

ここは専門的でなかなか理解するのが難しい範囲でもあります。「ちょっと難しいな…」と感じる方は細かい部分はさらっと読み流して、太字の要点と最後のまとめでポイントのみつかんでいただければなと思います。

それではお付き合いください(^ω^)

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脳は神経細胞のネットワークで情報をやり取りしている

神経伝達物質について解説する前にまずは、脳の情報伝達についてお話します。

以前にもお話しましたが、現在の科学では私達の心は脳にあると考えられています。

私達の脳内では約1000億個ともいわれる膨大な数の神経細胞が複雑なネットワークを形成しており、互いに情報を交換し合っています。

~脳内ネットワークイメージ~

(“Network representation of brain connectivity.JPG”

原典 Hagmann P, Cammoun L, Gigandet X, Meuli R, Honey CJ, Wedeen VJ, Sporns O (2008) Mapping the structural core of human cerebral cortex.PLoS Biology Vol. 6, No. 7, e159.[1]

作者 Hagmann P, Cammoun L, Gigandet X, Meuli R, Honey CJ, Wedeen VJ, Sporns O

ライセンスはCC BY 3.0に基づく)

神経細胞は情報を伝達する役割を担っています。

この神経細胞間の情報交換こそが思考や感情を形作り、私達の心を形成していると考えられています。

簡単にまとめると、「脳内では神経細胞を介して様々な情報交換が行われており、それが心を形成している」ということですね。

※神経細胞の簡単なスケッチはこちらです。

~神経細胞スケッチ~

スケッチ内の各用語を簡単に解説しますね。さらっと読み流していただければ結構です。

※スケッチ・用語解説参考図書『なぜ人はドキドキするのか?神経伝達物質のしくみ』 著 中西 貴之

細胞体…神経細胞(ニューロン)で代謝を行う

樹状突起…他のニューロンから受けとった情報を細胞体へ伝える

軸索…細胞体からシナプスへ情報を伝える

髄鞘…軸索にあるグリア細胞によって作られた皮膜。信号の伝達速度を高める

ランビエ絞輪…髄鞘と髄鞘の間で軸索がむき出しになった部分。

シナプス…次のニューロンや筋細胞に情報を伝える



神経細胞間の情報の伝達は神経伝達物質を通して行われる

続いて、脳の神経細胞間でどのように情報が伝達されているのかを詳しく見ていきましょう。

よく、「脳は電気信号によって情報を伝える」といわれています。ですが、正確に言うと、脳の神経細胞と神経細胞の間で情報を伝達しているのは電流ではなく神経伝達物質と呼ばれる化学物質です。

情報は、電気信号の形で神経細胞内を伝わっています。ですが、神経細胞と神経細胞の間にはわずかなすき間があり、これをシナプス間隙といいます。

このシナプス間隙は電気信号が通ることができず、代わりに神経伝達物質とよばれる化学物質を用いて次の細胞へと情報が伝達されています。

神経伝達物質が次の細胞の受容体に結合すると、再び電気信号が生じ、情報が伝達されていきます。

このような情報伝達が脳の各所で常に行われており、それが私達の思考や感情を形成し、心を形作っています。

※神経伝達物質による情報伝達のイラストを用意しました。どうぞ参考にしてみてください。

イラスト参考図書『なぜ人はドキドキするのか?神経伝達物質のしくみ』 著 中西 貴之

神経伝達物質とは簡単にいうと、「脳内の情報のやりとりに使われている化学物質」

・・・・・と、まあ、一通り説明してはみたのですが、ここは専門的な内容ですので理解するのが難しいという方も多いかもしれません。

私も最初はちんぷんかんぷんでしたw

ですので、そのような方は簡単に「神経伝達物質とは、脳内の情報のやりとりに使われている化学物質」とだけ抑えていただければ結構です。

私達が日常生活で何かを思考しているとき、様々な感情がこみ上げてくるとき。そのような時、脳内では神経伝達物質を介した情報交換が活発に行われているということになります。

私達の脳内における情報交換において、この「神経伝達物質」が非常に重要な役割を担っているということになりますね。

神経伝達物質の種類と量が私達の心の状態を決めている

さて、この神経伝達物質ですが、私達の心の状態(気分、感情等)に非常に大きな影響を与えています。

凄く科学的な言い方をすると、「脳内で分泌されている神経伝達物質の種類と量が私達の心の状態を決めている」ともいわれるほどです

うつ病、統合失調症、不安障害といった心の病気に処方される薬には、神経伝達物質のバランスを整える作用があります。神経伝達物質の量を調整することで心の不調を癒すことができると考えられているのですね。

そのような事例からも神経伝達物質が心にどれほどの影響をおよぼしているのかが分かります。

神経伝達物質は100種類以上あるといわれていますが、その働きが明らかになっているものはまだ多くありません。

神経伝達物質はその構造によりアミノ酸、モノアミン(アミノ酸からつくられた物質)、ペプチド(アミノ酸が2個以上つながった物質)に分類されます。

ここでは、モノアミンに属する三つの神経伝達物質を紹介します。

この三つの神経伝達物質は心に与える影響も大きく、心のことを知る上でとても重要になってきます。

「ドーパミン」「セロトニン」「ノルアドレナリン」の作用・働き

・ドーパミン

ドーパミンは快感や欲求に関わり、人間の行動をリードする脳内物質。その働きから「快感ホルモン」ともよばれています。精神状態を活発にして快感を与えます。

ドーパミンが心に及ぼす作用
…ワクワクする、やる気がみなぎる、愉快な気分。好奇心、達成感、集中力に関連。

・セロトニン

感情を安定させる脳内物質。不足すると、落ち込みやすい、イライラしやすい、うつ気味になる、など心の不調につながりやすい

セロトニンが心に及ぼす作用
…脳を落ち着いたクリアな状態にしてくれる。心の安定感、安心感、充足感などに関連。

・ノルアドレナリン

脳を覚醒させる作用をもつ脳内物質。脳の活動や集中力をアップさせる働きがあると同時に、怒り、緊張、不安、恐怖などにも深く関連。

ノルアドレナリンが心に及ぼす作用
…覚醒作用があり、頭がシャキッとする。また、怒り、緊張、不安、恐怖などに関連。

まとめ

今回は神経伝達物質について解説し、簡易的ではありますが代表的な3つの神経伝達物質を紹介しました。

神経伝達物質は「脳内の情報のやりとりに使われている化学物質」であり、私達の心の状態に大きな影響をおよぼしているということでしたね。

凄く科学的な言い方をすると、「脳内で分泌されている神経伝達物質の種類と量が私達の心の状態を決めている」ともいわれるほど。

次回は更に詳しくドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンといった脳内神経伝達物質について紹介していこうと思います。

~記事の要点~

・脳内では神経細胞のネットワークを通して常に情報がやり取りされている。それが思考や感情を形作り、私達の心を形成していると考えられている。

・神経細胞と神経細胞の間にはシナプス間隙というわずかなすき間がある。ここは電流をとおさないので、神経伝達物質という化学物質を使って情報を伝達している

・神経伝達物質は私達の心の状態に大きな影響を与えている。凄く科学的な言い方をすると、「脳内で分泌されている神経伝達物質の種類と量が私達の心の状態を決めている」ともいわれるほど

・ちょっと理解するのが難しいという方は「神経伝達物質とは、脳内の情報のやりとりに使われている化学物質」、「神経伝達物質は心の状態に大きな影響をおよぼしている」この2点を抑えていただければOKです!

・心のことを理解するうえで重要となってくる神経伝達物質としてあげられるのが「ドーパミン」、「セロトニン」、「ノルアドレナリン」。次回以降の記事で詳しく解説していきます。

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