ストレスが多い人ほどセロトニン不足の可能性あり!ストレスでセロトニン神経が弱まる具体的なメカニズム。

さて、前回の記事ではセロトニン神経の特徴と、その働きを紹介しました。

その中で、「セロトニン神経はストレスに弱い」というセロトニン神経の特徴がありましたね。セロトニン神経の活動がストレスで弱まると、セロトニン神経から放出されるセロトニンの量も減少してしまいます。

現代はストレス社会ともいわれており、ストレスは私達の生活のいたるところに見受けられます。そのような日常の中で、ストレスを感じることが多いというストレスフルな毎日を送っている方ほどセロトニン神経の働きが弱っている可能性があります。

ここではストレスがセロトニン神経に与える影響を詳しく解説していきます。

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そもそもストレスとは?

ストレスがセロトニン神経に与える影響を解説するにあたり、「そもそもストレスって何?」という素朴な疑問からみていきたいと思います。

ストレスという言葉はカナダの生理学者ハンス・セリエの研究によってはじめて認知されるようになりました。

セリエは1936年に発表した学説の中で「何かしらの刺激が加わったときに人間のからだが適応するプロセス」のことをストレスとよんでいます。

暑さ、寒さ、痛み、騒音、季節の変化、睡眠不足、家庭環境、職場環境……。

また、怒り・不安・緊張といった心の苦しみもストレスです。

簡単にいうと、人間が生きていく上で不快に感じてしまうことはすべてストレスということになります。

現代では、職場や学校の人間関係、家族の問題、子育ての悩みなど精神的なストレスが非常に多いのが特徴ですね。

ストレスは適切なレベルであれば私達が充実した人生を送るために必要な「生活のスパイス」となります。

ですが、過度なストレスは心身ともに健康に害をなすことは今では常識となっています。

過度なストレスが続くと、糖尿病、高血圧、ぜんそくといった体の不調につながります。また、不安や気分の落ち込み、不眠といった精神的な不調にもつながります。

これまでストレスが体の不調を引き起こすメカニズムは解明されていました。ですが、ストレスが精神的な不調を引き起こすメカニズムに関してはわからない部分がほとんどでした。

しかし、脳科学の研究の進展により、ストレスがどのようなメカニズムで精神に影響を与えているのかが徐々に分かってきました。



ストレスが体の不調を引き起こすメカニズム

まずはストレスが体の不調を引き起こすメカニズムをみていきましょう。

以下、少しややこしい話も出てきますが、ポイントを簡単にまとめています。ちょっと難しいなと思った部分はさらっと読んでいただいて大丈夫です(^ω^)

私達が受けたストレスは情報として体の中に張り巡らされた神経を通り、まずは脳の視床へ送られます。

そこから、大脳皮質または大脳辺縁系を介して、ストレス中枢とも呼ばれる視床下部・室傍核にいきます。

情報を受け取った視床下部の室傍核は副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを出します。

副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンとはややこしい名前ですが、「副腎皮質を刺激するホルモン」を出せと命令するホルモンです。

このホルモンが下垂体を刺激し、副腎皮質刺激ホルモンを出します。

そして、このホルモンが副腎皮質を刺激することによってコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。

コルチゾールは抗炎症作用などもあり、体にとって必要な物質です。しかし、過剰に分泌されると糖尿病や高血圧といった病気の原因になってしまいます。

まとめると、

ストレスの発生

→副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの分泌(視床下部・室傍核)

→副腎皮質刺激ホルモンの分泌(下垂体)

→コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌(副腎皮質)

→ストレスホルモンが過剰分泌されると身体の不調や病気の原因になる

というのが身体の不調につながるストレスの流れですね。

話が少しややこしいなと思う方は

・ストレスを受けるとコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌される

・ストレスホルモンは身体に必要な物質ではあるが、過剰に分泌されると身体の不調や病気(糖尿病や高血圧)につながる

この二点を抑えていただければ結構です。

ストレスが精神的な不調を引き起こすメカニズム

続いて、ストレスが精神的な不調を引き起こすメカニズムについて。

過度なストレスを受け続けると、体の調子が悪くなってくるだけでなく、うつうつとしてくる・情緒不安定になるなど精神の調子も悪くなってきますよね。

ストレスが体の不調だけでなく、心の不調にもつながるということは誰しも経験則として感じていることではないでしょうか。

これは近年になってわかったことなのですが、ストレスは先ほどのコルチゾールの分泌とは別に脳の「縫線核」という部位に働きかけてセロトニン神経を抑制する作用もあることが分かりました。

ストレス情報が視床下部の室傍核に伝わるところまでは同じなのですが、体の不調につながるストレスがそこから下垂体に行くのに対して、精神の不調につながるストレスは脳幹の縫線核という部位に働きかけます。

この縫線核は以前紹介したとおり、セロトニン神経のある場所。

ストレスはセロトニン神経に直接働きかけ、セロトニン神経の働きを抑制してしまいます。

ストレスが一時的なものであれば、抑制も一時的なもので済みます。ですが、ストレスが長く続くと、セロトニン神経がどんどん弱っていき、脳内のセロトニンレベルを低下させてしまいます。

その結果、心の不調につながると考えられています。

セロトニンには脳内神経伝達物質のバランスを整える作用があり、私達の心のバランスを保つ上で重要な役割を担っているということは前にお話しましたね。

現代の医学では、脳内の神経伝達物質の乱れが様々な精神的不調の原因ではないかと考えられています。

それはセロトニンも同様。セロトニンが不足し、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れると心の不調につながります。

ストレスが多い生活を送っている方、精神的な不調を抱えている方ほど気をつけたい点となりますね。

ストレスが精神に与える影響をまとめると、

ストレスを感じる

→脳幹の縫線核に伝わりセロトニン神経が弱まる

→脳内のセロトニンレベルが低下する

→心の不調につながる

ということになります。

こちらの話もややこしいと感じられる方は

・ストレスを感じるとセロトニン神経が弱まり、脳内のセロトニンレベルが低下する

・脳内のセロトニンレベルが低下すると、心の不調につながる

という二点を理解していただければ十分です。

ストレスが多い人ほどセロトニン神経を鍛える必要がある

以上のようなメカニズムによって、ストレスは私達の体と心にダメージを与えているのですね。

過度なストレスはコルチゾールの過剰分泌を引き起こし、体の不調につながるだけでなく、セロトニン神経を弱らせることによって心の不調も引き起こしてしまいます。

ですので、ストレスが多いという方は要注意。

ストレスが多い方ほど縫線核にあるセロトニン神経の働きが弱まり、その結果、脳内がセロトニン不足におちいっている可能性があります。

弱っているセロトニン神経を積極的に鍛える必要があるということになりますね。

セロトニン神経を鍛える方法については次回お話ししていこうと思います。

今回参考にさせていただいた書籍

今回のストレスがセロトニン神経に影響を与えるメカニズムは、こちらの書籍を参考にさせていただきました。

脳からストレスを消す技術 」 著 有田秀穂

セロトニンについて詳しく学べる書籍です。

まとめ

・ストレスを受けるとコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌される。ストレスホルモンは身体に必要な物質ではあるが、過剰に分泌されると身体の不調や病気につながる

・ストレスは縫線核という部位に働きかけ、セロトニン神経の活動を弱めてしまう。脳内のセロトニン量が低下すると心の不調につながる

・ストレスが多いストレスフルな毎日を送っている人ほどセロトニン神経の働きが弱っている可能性がある。よって積極的にセロトニン神経を鍛えていく必要がある。

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