息を止めないトレーニングって何?どんな効果がある?日常でできる呼吸トレーニングを紹介します。

今回は日常でできる呼吸のトレーニングを紹介します。

呼吸法では5分から30分程度、時間をとって集中的に呼吸をコントロールしますね。

ですが、簡単に「5分から30分ほど時間をとって呼吸法をして!」

といっても時間を確保するのが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。

現代人はとにかく忙しいですからね(´・ω・`)

ですが、日常生活の「ながら」でできる「息を止めないトレーニング」という呼吸トレーニングも存在します。

これは自律神経の第一人者と呼ばれる小林弘幸教授がプロのアスリートにも指導している方法です。

「息を止めないトレーニング」とは何なのか?そして、どのような効果があるのか?

興味のある方は是非ご一読ください!

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息を止めないトレーニングとは?

冒頭でも紹介しましたが、呼吸法では、5分から30分程度時間をとって集中的に呼吸をコントロールします。

対して今回紹介する「息を止めないトレーニング」は日常の呼吸を変えるというトレーニングです。

日常の呼吸というのは、日常的に無意識に行っている呼吸です。

例えば、今この記事を読んでいただいている最中も呼吸をしていますね。他にも、通勤中、通学中、家事の最中、歯磨き中、入浴中………

当然のことではありますが、私たちは一日中呼吸をして生活しています。

この日常的に無意識に行っている呼吸を変えていこうというのが、「息を止めないトレーニング」です。

※以下、日常的に無意識に行っている呼吸=「日常呼吸」と記載します。

知らぬ間に浅く速くなる呼吸。呼吸が止まっていることも。

「息を止めないトレーニング」では、一定のペースで呼吸することによって、普段無意識に呼吸が止まることや、呼吸が浅く速くなるのを防ぎます。

しかし、「普段無意識に呼吸が止まる」と聞いても

「ん?私別に息止まってませんよ?(´・ω・`)」

と疑問を抱く方も多いのではないかと思います。

ですが、この記事を読み終えたら、一度日常的に行っている「日常呼吸」を観察してみてください。思っている以上に息が止まっていたり、「ほとんど呼吸をしていないのではないか?」というほど呼吸が浅くなっているケースが多いと思います。

私たちの呼吸は感情や行動のクセによって変化します。

例えば不安が頭をぐるぐる回り、考え込んでしまっているときは呼吸が非常に浅く速くなります。

これは実験でも確認されており、医師の本間生夫氏が行った実験によると、不安に駆られている人は呼吸数が増加していることが確認されています。呼吸数が増加しているというのは、呼吸が「浅く速くなった」ということを意味します。また、不安の度合いが高い人ほど、呼吸数が激しく増加しているということも確認されました。

関連記事:「不安が強くなると共に呼吸数が増大する

また、歯を磨いているとき、入浴中に髪を洗っているとき、、、

このような時も呼吸は変化しています。特に必要以上に力を入れている方は、ほとんど呼吸をしていないのではないか?と思うほど呼吸が浅くなっている可能性があります。

試しに今、手をぐーちょきぱーの「ぐー」をつくってギューッと力を入れてみてください。

ギューッと思いっきり力をいれます

その状態を5秒ほどキープしてみてください。

……

……

……

さて、手を握っている最中呼吸をしていたでしょうか?

おそらくほとんどの方は呼吸が止まっていたり、呼吸している感覚もないほど呼吸が浅くなっていたのではないかと思います。

「呼吸を止めてください」という指示は一切出していないにも関わらず、呼吸は自然と止まってしまいます。

体の力みも呼吸に変化を及ぼすのです。

このように日常の知らぬ間に変化している呼吸を変えていこうというのが、「息を止めないトレーニング」です。

息を止めないトレーニングとは「一定のペースで呼吸を続けるトレーニング」

息を止めないトレーニングのやり方は簡単です。

5分でも10分でも30分でもいいので、時間を決めて「スーハー、スーハー」と一定のペースで呼吸を続けるだけです。

通勤中、通学中、家事の最中でも構いません。音楽を聴きながらでもOKです。

時間を確保する必要がない分、こちらのほうが呼吸法より取り組みやすいかもしれません。

一定のペースで呼吸を続けることによって、無意識に呼吸が止まること、呼吸が浅く速くなることを防ぐというのがこのトレーニングの狙いです。

(具体的なやり方は、コツも含めて改めて紹介します)

呼吸が乱れると自律神経が乱れる。血流も悪化。

なぜ息が止まっていたり、呼吸が浅く速くなるのを矯正していく必要があるのでしょうか?

それは、呼吸を止めたり、呼吸が浅く速くなると、自律神経のバランスが乱れるためです。

呼吸が止まったり、浅く速くなると交感神経の働きが過剰となり、自律神経のバランスが乱れます。

自律神経の乱れは身体のありとあらゆる不調につながります。その中で最も顕著なのが、「血流の悪化」。

自律神経は血管の働きをコントロールしており、交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を弛緩させます。

両者の神経のバランスがよく、血管の収縮と弛緩がリズムよく行われている状態が「血流が良い」状態です。

血流には全身の細胞へ栄養と酸素を届けるという重要な役割を担っています。

血流が悪くなると、細胞への栄養・酸素供給が不十分となり、身体のありとあらゆる器官の働きが落ちてしまいます。

胃腸、肝臓、肺、腎臓、すい臓、子宮………血流が悪くなると、これらすべての器官の働きが悪くなり、病気やトラブルを起こしやすい状態になってしまいます。

また、それは脳も同様です。血流が悪くなり、酸素供給が落ちると、脳がしっかりと働かなくなってしまします。ぼーっとして集中力が落ちたり、イライラが増すことにもつながります。

何か原因があるわけではないのに、「身体の調子が悪い」「病気がちだ」「頭がぼーっとして働かない」「イライラすることが多い」といった症状がある方は一度呼吸を見直してみましょう。

ほとんど呼吸をしていないのではないか?というほど呼吸が浅い状態が続いているのであれば要注意です

私たちは、知らず知らずのうちに緊張すると、呼吸が浅く速くなり、交感神経が異常に高まります。そうすると、体も頭も血流が悪くなって低酸素状態となり、パニックに陥る危険すらあります。

自律神経を整える「1日30秒」トレーニング 人生が楽になるセル・エクササイズ 著 小林弘幸

私は、研究室に「ドップラー」という末梢の血流量を測定できる機械を導入しているのですが、この機械で調べると、呼吸を止めた瞬間に体の抹消の血流がサーっと悪くなっていく様子がはっきりと確認できます。

そして、ゆったりとした深い呼吸をすると、末梢の血流は瞬く間に回復し、息を止めると、再び血の気がサーっと引いていくようになる……。

もちろん、呼吸が血流に関わっていることは以前から知られてはいたのですが、あまりにも瞬間的に、そして劇的に変化するので、私はこの様子を初めて見たときにはたいへん驚かされました。

引用:「意識しない」力 うまくいくときは、結局みんな、自然体 著 小林弘幸

「呼吸を制する者は、人生を制す」。プロのアスリートもペンタゴンも注目!

「呼吸を止めないトレーニング」は、引用で紹介させていただいた自律神経の第一人者・小林弘幸教授がプロのアスリートにも指導しているトレーニングです。

ここ一番のとき、一般の人は緊張したりプレッシャーを感じたりして、無意識に息を止めていることが多いものです。プロのアスリートのなかにも競技大会の直前やスランプに陥ったとき、呼吸が速く浅くなっている人もいます。
そこで私たちは、ふだんのトレーニングや練習をするときから、ゆっくり深い呼吸をすること、息を止めないようにすることを指導しています。

引用:ゆっくり呼吸のレッスン 著 小林弘幸、末武信宏

また、アメリカの国防総省、通称「ペンタゴン」も呼吸を非常に重要視しています。ペンタゴンには「呼吸を制する者は、人生を制す」という格言があるほどです。

ペンタゴン式のメンタルトレーニングを紹介している書籍「ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方」でも、

「どんな時も「息」を止めない」

というサブタイトルがあり、日常的な呼吸の質を高めていくことを推奨しています。

プロのアスリートも指導されている方法、アメリカのペンタゴンでも推奨されている方法と聞くと、信頼感も増し、やる気もわいてきますね。

息を止めないトレーニングの具体的なやり方とコツ

「息を止めないトレーニング」の具体的なやり方とコツを紹介します。

先ほども少しお伝えしましたが、やり方は本当に簡単。5分~30分と好きな時間を決め、「スーハー、スーハー」と一定のペースで呼吸を続けるだけです。

通勤中、通学中、家事の最中、ちょっとした待ち時間……、他人に気づかれることもまずありませんので、本当にいつでもできます。

音楽を聴きながらでも構いませんので気軽に取り組んでいただければなと思います。

「息を止めないトレーニング」のコツは以下の通りです。

〇入息は鼻から。出息はどちらでもよいが、鼻がオススメ

息を吸う入息は鼻から行いましょう。鼻の粘膜の力や、加湿効果によって、ウイルスや細菌が体内へ侵入するのを防いでくれます。息を吐く出息は口、鼻どちらでも構いませんが、鼻出息の方がメンタル安定に効果的という意見もありますので、個人的には鼻出息をオススメします。

関連記事:「呼吸法は鼻呼吸をオススメする理由。ヨガが鼻呼吸なのはなぜ?についても紹介します

〇少しゆっくり目に呼吸をする

息を何秒かけて吸って、何秒かけて吐くかに厳密な決まりはありませんが、理想的な呼吸は、一分間に8回から10回といわれています。(参考図書:ペンタゴン式 折れない心の作り方)

一分間に8~10回というのは一般的な呼吸の感覚からいうと、「ゆっくり目の呼吸」です。

先ほどの小林教授の引用でも「ゆったりとした深い呼吸をすると、末梢の血流は瞬く間に回復する」という記述がありましたね。機械で実際に計測しているので信頼できます。

時計を見ながらゆっくり呼吸をし、一回の呼吸が6秒あたりになる感覚をつかむといいですね。

〇身体の力を抜く

前述したように、人間は身体に力が入ると呼吸が止まったり、呼吸が浅くなります。ゆっくり深い呼吸がしにくいという方は手と足先に必要以上に力が入ってないか確認しましょう。(特に手と足先の力みが、息が止まったり浅い呼吸につながります)

また、膝を「カクンカクン」と数度折ると身体の力が抜けますのでこちらも効果的です。

〇吐く息を長くする

スーハーーー、スーハーーーと吐く息を長くすると副交感神経が刺激されます。

副交感神経は自律神経の一種で、心身をリラックス・休息状態に導きます。吐く息を長くすると本当にリラックスできますのでオススメです。

息を吸うのは自然に心地よい程度でOKです。

・・・・・・・・・・・・・

と、いくつかコツを並べてみましたが、基本的には「一定のペースで呼吸を続けるだけ」です。本当に難しいことは何一つありません。慣れてくるとほぼ無意識にできるようになります。

日常のちょっとした時間を活用して実践していただければなと思います!

実際にやってみて効果は?呼吸法の効果が日常的に広がる!

最後に実際に「息を止めないトレーニング」をやってみた感想をお伝えします。

私が「息を止めないトレーニング」をやってみて顕著に感じる効果は、やはり精神的な安定感が増したということです。

呼吸が安定すると精神的な安定感が増します。呼吸と感情は密接に結びついており、先ほどお話ししたように、不安を感じているときは呼吸数が増加しますし、「深くゆっくりと呼吸すると、穏やかな気分になり、浅く速い呼吸をすると、不安や怒りを感じるようになった」という実験も紹介しました。

関連記事:「呼吸を変えると心が変わった

呼吸法で集中的に呼吸をコントロールすると、身体がリラックスし、心もすごく落ち着きます。加えて「息を止めないトレーニング」で日常の呼吸も見直すことによって、その効果が日常的にも持続するようになるという感じでしょうか。

人間である限り、まったく不安を感じなくなったり、全然落ち込むことも無くなったということにはなりませんが、それでも以前に比べて精神状態が劇的に改善されたことは確かです。

私の場合は、SSRI(抗うつ薬としてよく使われる薬)、抗不安薬(不安を和らげる薬)、睡眠導入剤といった精神薬が一切必要なくなりましたからね。

特に抗不安薬は約10年飲み続けていましたし、睡眠導入剤は一生使い続けるのではないかと思うほど手放せない存在でした。

メンタルに関する効果は絶大といえます。

精神的な不調を感じることが多いという方には凄くお勧めできるトレーニングです。

「精神状態を改善したい」「不安や抑うつ感に振り回されることなく、安定して過ごせるようになりたい」

という方は是非「呼吸を止めないトレーニング」を実践してみてください!

まとめ

・息を止めないトレーニングとは、日常的に無意識に行っている「日常呼吸」を変えるトレーニング。一定のペースで呼吸することによって、普段無意識に呼吸が止まったり、呼吸が浅く速くなるのを防ぐのが狙い。

・呼吸は感情の変化や行動のクセによって変化している。不安を感じているときは呼吸数が増え、呼吸が浅くなる。また、必要以上に体に力が入っているときも呼吸が浅くなる。時には、ほとんど息をしていないのではないか?と思うほど呼吸が浅くなっていることもある。

・呼吸が止まったり、浅く速くなると、自律神経のバランスが乱れる。自律神経の乱れは血流の悪化につながる。血流が悪化すると身体の各器官へ十分な栄養と酸素が供給されず、身体の不調につながる。それは脳も同様で、酸素供給が落ちることによって、集中力が落ちたり、イライラにつながる。

・息を止めないトレーニングのやり方は簡単。5分~30分など好きな時間を決めて、一定のペースで呼吸を続けるだけ。その際、「吐く息を長くする」「ゆっくり目に呼吸する」「身体の力を抜く」といった点を意識するとさらに効果的。

・個人的に最も感じる効果は精神の安定。精神状態を改善したいという方には、日常の呼吸を見直す「息を止めないトレーニング」は非常にオススメです。

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