呼吸法で出るアルファ波は一種類だけじゃない!!脳を「クールな覚醒」に導くアルファ2波とは?

今回は呼吸法の効能「アルファ波」について書いていこうと思います。

呼吸法のリラックス効果はよく知られていますね。

呼吸法には「扁桃体の活動が鎮まる」「副交感神経の働きが高まる」などの科学的な根拠も認められており、心理療法にもよく使われています。

その呼吸法の効能としてよくあげられるのが今回取り上げる「アルファ波」です。

アルファ波は「リラックス時に出る脳波」としてよく知られており、呼吸法を行うことによってアルファ波が出るというのが実験の結果明らかになっています。

ですが、厳密にいうと、呼吸法で出るアルファ波は「アルファ1波」と「アルファ2波」という二種類に分かれます。

「アルファ1波」「アルファ2波」とは何なのか?どのような効果があるのか?

一緒に確認していきましょう(^ω^)

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アルファ波とは

まずはアルファ波について確認していきましょう。

アルファ波は脳波の一種です。

脳波とは簡単に言うと、脳で生じる電気活動を記録したものです。

脳波を見ることによって脳の活動状態(覚醒や睡眠)を判断することができます。また、てんかんなどの脳の機能障害の診断にも用いられています。

脳波はその周波数によって以下の四つに分類されます。

完全な睡眠状態で出るのがデルタ波。

うとうとした状態で出るのがシータ波

リラックスした状態で出るのがアルファ波

私たちが普段起きて活動しているときに出ているのがベータ波です。

つまり、ヘルツ数が多いほど活動状態が高いということになりますね。

アルファ波の効果は?

アルファ波の効果としてはよくリラックス効果が知られています。

実際にアルファ波が出ている状態で気分に関するテストをすると、精神状態が改善されているという実験がありますので引用で紹介しますね。

アルファ波が多く出ているということは、交感神経、副交感神経ということでは、どちらかといえば、副交感神経優位の世界です。

その状態で心理テストをすると、緊張不安が自転車漕ぎをする前が五とすると、終わった後は一~二に落ちています。さらに、うつ傾向や怒り、敵意といった攻撃的な気持ちが落ち、疲労感が取れ、混乱なども落ちてすっきりした気分になるのです。

引用:「歩けば脳が活性化する」 著 有田秀穂

これだけでも驚くべき事実ですが、念には念を入れて、「ゆっくり吐く呼吸」でα2が出ているときの心理状態がどう変化したかもテストしています。

テストを受ける人に30項目の質問に答えてもらい、質問を6つのカテゴリーに分けて分析しました。

すると、私たちの推測を裏付ける結果が出てきました。「緊張・不安」や「うつ傾向」などのネガティブな気分が軽減され、一方で、元気の度合いを示す「活動」という尺度は減ることはありませんでした。

引用:「医者が教える正しい呼吸法」 著 有田秀穂

やはり気分改善に関する効果があるようですね。

ちなみにですが、瞑想の達人ともなるとガンマ波と呼ばれる脳波を出すことができるという研究もあります。

アントワーヌ・ルッツは、仏教の瞑想の達人たちが振幅の大きいガンマ波という脳波を生み出せることを示した。ガンマ波は効果的な記憶・学習・知覚と結びつけられることが多い。

引用:「サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法」 著 チャディー・メン・タン

これらの報告を見ると、脳波は私たちの脳の状態や精神状態を示す一つの指標ということができそうですね。

呼吸法でアルファ波が出る

呼吸法を行うとアルファ波が出ることが確認されています。

まったく坐禅も呼吸法も知らない学生に、ただそれだけの指示で、二十~三十分間呼吸法をやらせる。すると、脳波が確実に変わるんです。もともとベータ波という覚醒時の脳波が出ているんですが、呼吸法を続けて五~六分ほど経つと、そこにアルファ波が少しずつ入ってくる。さらに、十分くらい経つと、アルファ波の頻度と持続時間がだんだん伸びてくる。

引用「脳のちから 禅のこころ」 著 有田秀穂 玄侑宗久

まったく坐禅や呼吸法を知らない初心者でも、呼吸法を実践すると脳波がベータ波からアルファ波に変わっていくのですね。

また、「自律神経を整える「長生き」呼吸 著 坂田 隆夫」でも、ゆっくりと長く息を吐く呼吸を十分~十五分続けるとアルファ波が出るのが確認されたとあります。

「毎朝10回の深い呼吸で体が変わる 著 藤麻美子」ではわずか三分の呼吸法でアルファ波が約2割増加したのが確認されたとのことです。

呼吸法でアルファ波が出るというのは間違いなさそうですね。

最も簡単なアルファ波の出し方

このように「呼吸法でアルファ波が出る!」という結果をみると、呼吸法って凄いなーって思えてきますよね。

「やっぱり呼吸法のリラックス効果は本当だったんだ」と納得させられるところもあります。

ですが、アルファ波を出すこと自体は全然難しくないんです。

実は、目を閉じるだけで脳波はアルファ波になります。

ですので、単にアルファ波を出したいのであれば目を閉じるだけでいいんですね(笑)

こうなってくると「わざわざ呼吸法でアルファ波を出す必要あるの?」と疑問がわいてきますね……

しかし、呼吸法で出現するアルファ波は目を閉じたときに出てくるアルファ波とは若干異なっており、効果にも違いがあることが分かっています。

脳を「クールな覚醒」に導くアルファ2波とは

呼吸法で出現するアルファ波は一般にリラックス状態を示すアルファ波=アルファ1だけでなく、脳を「クールな覚醒」に導くアルファ2も含まれます。

アルファ波は8~13ヘルツの脳波と紹介しましたが、更に細分化すると、8~10ヘルツのアルファ1と10~13ヘルツのアルファ2に分けられます。

アルファ1は目を閉じてリラックスしているときに出る脳波です。一般にアルファ波と聞いてイメージするのはこちらになりますね。

昼間といった覚醒時にも目を閉じてリラックスしたときに出る脳波がアルファ1です。

対して、アルファ2は単に気持ちが落ち着いているときに出るのではなく、リラックスしながらも意識がさえている状態で現れます。

アルファ1とアルファ2の違いはヘルツ数をみるとわかりやすいです。

アルファ1はうとうとした状態のシータ波に近く、アルファ2は覚醒状態であるベータ波に近い脳波です。

ですので、アルファ2の脳波の方が覚醒度が高く、リラックスと覚醒の中間、つまり「リラックスしながらも意識が冴えている状態」ということができます。

呼吸法や脳波の研究をしている医学博士の有田秀穂氏はこのアルファ2を「脳にクールな覚醒をもたらす脳波」と呼んでいます。

呼吸法をするとアルファ1が出現し、次第にアルファ2に変わっていく

呼吸法を行うと、まずリラックス時に現れるアルファ波=アルファ1が出現します。

しかし、アルファ1は呼吸法開始後、約7分で消失し、入れ替わりに10~13ヘルツのアルファ波=アルファ2が出現します。

まず、目を閉じてすぐに現れるα波は八~十ヘルツの遅いものですが、呼吸法を二十分行うと、この遅いα波の山は呼吸法開始後七分で消えました。そして、三~四分たったころから、これと入れ替わりに十~十三ヘルツという速いα波が出現したのです。この速いα波は十分ごろにピークとなり、その後安定していきます。

引用「セロトニン脳健康法」 著 有田秀穂

速いアルファ波とはアルファ2波のことです。

繰り返しになりますが、アルファ2は「リラックスしながらも意識がさえている状態」で出る脳波です。

アルファ2波が出ているときは、抑うつ状態の人なら気分が晴れて元気になれます。

イライラしてる場合は、平常心に戻り、気持ちが落ち着きます。

覚醒度合いがアルファ1に比べて高いので、集中力を必要とする作業にもいいですね。

呼吸法ではリラックス効果だけでなく、「爽快ですっきりした感覚」が得られるということになります。

アルファ2波の出現はセロトニン神経活性化の証拠?

「アルファ2波が出ているのはセロトニン神経が活性化している証拠」という意見もあります。

セロトニンについては当ブログでは何度も紹介してきましたね。精神安定に重要と考えられている脳内物質です(脳内ホルモンともいう)。

その作用から「幸せホルモン」と紹介されることも多いですね。

セロトニンの効果に関しては、「ラットに運動をさせて増やしたセロトニンが海馬の神経新生を促していた!」という研究もあり当ブログでもセロトニンを増やすことを推奨しています。

この記事で何度も引用させていただいている有田氏によると、セロトニンには大脳皮質の活動を沈静化させる作用がるので、呼吸法によってセロトニン神経が活性化され、大脳の活動レベルが変化した結果、アルファ2波が発生するとのことです。

つまり呼吸法をおこなうことによってセロトニン神経が活性化され、それが大脳に影響を与えたのです。α2波は、大脳皮質の活動を抑制する働きがあるので、セロトニン神経の活性化によって大脳皮質全体が沈静化された結果、脳の疲労感がとれる、スッキリした爽快感を得るといった状態になったのだと思います。

引用 「心も脳も整える!セロトニン呼吸法」 著 有田秀穂 高橋玄朴

アルファ波はもちろんのこと、セロトニンも精神の安定には欠かせない脳内物質です。

「アルファ波の出現」「セロトニン神経の活性化」はメンタル対策として呼吸法を実践している方にとっては注目すべき点となりますね。

呼吸法をしているものの、なかなか効果を感じられない方へ。

最後にメンタル対策として呼吸法を実践しているものの、なかなか効果を感じられないという方へ私なりのアドバイスをお伝えしたいと思います。

ここまで呼吸法のアルファ波効果を紹介してきました。ですが、実際に呼吸法を実践してみても

「アルファ波効果なんてまったく感じられません(´・ω・`)」

という方もいらっしゃるかもしれません。

これは私の経験談となりますが、元々の精神状態が悪い人ほど呼吸法の効果を感じられるまでに時間がかかります。

長きにわたってしみついた身体と心の状態はすぐに変えられるようなものではないので、コツコツと呼吸法を継続していく必要があります。

効果を感じられるまでの期間は、以前の記事で紹介した通り、三か月がまずは一つの目安です。その後、半年、一年と呼吸法を続けると精神状態は劇的に変化します。

私は三か月呼吸法を続けたころに明確な効果を感じることができ、半年、一年と続けたころにはもやは別人だと思えるほどに精神状態が改善されました。

(ただし、効果は徐々に現れるので本当に頑張るべきは最初の三週間)

精神的につらいという状態では呼吸法を続けるのは大変だと感じるかもしれません。ですが、最悪の状況を乗り越えたという経験は後に自信となって自分を支えてくれる大きな財産となります。

「精神的に本当につらい」

「なかなか効果を感じられない」

というかたも、できる範囲でコツコツと呼吸法を実践していただければなと思います。

呼吸法に関してはいくつもの科学的な効能が認められています。諦めずに続ければきっと一生ものの心の財産としてあなたを助けてくれます。

まとめ

・アルファ波は脳波の一種。リラックス時に出る脳波としてよく知られている

・呼吸法でアルファ波が出るということが実験の結果、明らかになっている。

・呼吸法で出るアルファ波は厳密にいうと二種類存在する。一つ目は8~10ヘルツのアルファ1。もう一つは10~13ヘルツのアルファ2。

・アルファ1は目を閉じたときに出るアルファ波で「リラックスした安らぎ」という感覚をもたらす。一方、アルファ2は「リラックスしながらも意識がさえている状態」で出る脳波。それぞれの効果には違いがある。

・呼吸法にはリラックス効果だけでなく、アルファ2による「爽快ですっきりした感覚」が得られるという効果もある。

・精神状態が悪い人は効果を感じられるまでに時間がかかるかもしれない。しかし、精神的に最悪な状態を乗り越えたという感覚は、後に自信となって自分を助けてくれる。諦めずにコツコツと呼吸法を続けていただければなと思います!

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