「自分に厳しく」は実は逆効果!自己批判では成長できない(習慣化・継続のコツ)

前回の記事では習慣化・継続に失敗する大きな要因である「どうにでもなれ効果」を紹介しました。

私達は何か目標を立て達成のために努力していこうと思っても、ちょっとした小さな失敗で自暴自棄になり、投げやりになってしまいがちです。

ダイエット中にちょっと食べ過ぎたことで自己嫌悪に陥り、やけ食いに走る…

禁煙中の人がタバコに1本手を出してしまい、やけになって2本も3本も吸ってしまう…

これが目標達成や習慣化に失敗する典型的なパターン「どうにでもなれ効果」でしたね。

自分との約束を守れなかった時、私たちは「こんなことじゃだめだ!」「何で私はこんな馬鹿なことをやってしまうんだ!」とつい自分を責めてしまいがちです。

一見、このような自己批判は自分を戒め成長するきっかけを与える正しい判断のように思えます。

ですが、実際は逆効果。

多くの人は自己批判では成長せず、自己嫌悪に陥り、嫌になって全てを投げ出してしまいます。

実際に行われた実験の結果を見ながら「自分を責め、自分に厳しく接するのは、習慣化や目標達成にはマイナスですよ」というお話をしていきたいと思います

習慣化や継続、目標達成で何度も挫折を繰り返している方は是非ご一読ください!

スポンサーリンク
記事内広告

飲みすぎた人は、更に飲みすぎる

まずはニューヨーク市立大学とピッツバーグ大学の心理学者、依存症研究者が行った実験です。

この実験では18歳から55歳までの144名の成人に携帯情報端末を配布し、お酒を飲んだ記録をつけてもらいました。

参加者は飲酒の記録と共に、毎朝8時にログインし、前の晩の飲酒についてどう感じるかも記録します。

飲酒の際に

「一杯目のビール午後9時4分」

「ウォッカ一杯何時何分」

という記録をとり、翌朝、それに対してどう思っているのかという記録も提出させたということですね。

研究者が知りたかったのは、参加者が飲み過ぎてしまった翌朝にどう感じるかということでした。

当然ながら、前の晩に飲み過ぎた人たちはひどい気分で目が覚め、頭痛や吐き気、二日酔いに苦しみました。

ですが、辛いのはそれだけでなく、多くの人は後ろめたさを感じ恥ずかしく思っていました。

さて、このように感じた参加者はどのような行動を取ったでしょうか?

その結果は、前の晩に飲み過ぎたせいでひどく落ち込んだ人ほど、その日の夜も、翌日の夜もまた飲み過ぎてしまいました。

罪悪感の反動で飲まずにはいられないのです。

罪悪感を感じると、とても辛い気持ちになりますね。

その辛い気持ちを紛らわせようと、彼らは更にお酒に手を伸ばしてしまったのです。

一見、やけっぱちのあべこべな行動のようにも思えますが、人間らしいといいますか、気持ちはわかりますね。

ダイエット中に体重が増えた人は、やけ食いに走る

これはダイエットに関する実験でも同様の結果が出ています。

心理学者のポリヴィとハーマンは、体重計に細工をして、ダイエット中の被験者の体重が実際よりも2キロほど多く表示されるようにしました。

その結果、被験者は落ち込み、後ろめたさを感じ、自己嫌悪に陥ってしまいました。

そして、被験者がその後取ってしまった行動は、先ほどの飲酒者たちと同様。

増えてしまったぶんの体重を取り戻そうとするどころか、憂さ晴らしのためにやけ食いに走ってしまいました。

他にも無駄遣いを必死に我慢している人、禁煙中の人も同じようなパターンを示します。

このような研究から、罪悪感や自己嫌悪というのは、一見反省を促し行動を改善するためのきっかけになると思われがちですが、実際はそのようなことはなく、私たちは罪悪感や自己嫌悪を感じると落ち込んでしまい、自暴自棄に走ってしまうということがわかります。

これは皆さんも経験があることではないでしょうか。

私たちは計画通りに物事が運ばないと、

「こんなんじゃだめだ!」

「私はなんでこうなんだ!」

と自分を責め、その痛みをバネに変わろうと試みます。

しかし、実際はそれで奮起して頑張るところか、嫌になって投げ出してしまうことの方が多いですよね。

それはみんな一緒だったんです。(他にも数々の実験で同様の結果が示されています)

仕事のような強制力のあるような場面では嫌々ながらも頑張れますが、ダイエットや運動、筋トレ、スキルアップのための勉強など、強制力の働かない自主的な努力に関しては、特に注意したい点となりますね。

人間は、思っているほど強くない

私たちは計画していたこと、やろうと決めていたことに挫折すると、自分を責め、自己嫌悪に陥ってしまいがちです。

これは人間であれば当然のことです。

人の心理には「一貫性の原理」という法則があり、一度立てた計画や自分との約束は守るべきであるという信念を持っています。

※一貫性の原理=自分の発言や行動、態度を一貫したものにしたいと思う人間の心理。「コロコロ態度や発言を変える人は信用を失う」などが一貫性を保とうとする理由の一つです。

計画通りにできなかったということは、自分との約束を破ってしまったということであり、気持ちを落ち込ませてしまいます。

しかし、上記の実験でも示されている通り、失敗した時に自分を責め、厳しく接するという戦略は実は逆効果。

私たちは自分にかけた厳しい言葉に奮起し、成長の糧とするのではなく、自己嫌悪に陥り自暴自記となって投げ出してしまいます。

私を含む多くの人は、思っているほど強くないんです。

自分を許してあげると、自制心も責任感も増す

それでは、失敗した時に私たちは自分に対してどのような対応をすればよいのか。

それは前回の記事でも紹介した通り、思いやりをもって自分を許してあげること。

意外に思われるかもしれませんが、自分に厳しい言葉をかけ叱咤激励するのではなく、自分に優しく接し、許してあげる方が責任感も自制心も向上します。

「人間だから時には失敗することもあるし、自分を甘やかしてしまうこともある」

失敗した時にこのような言葉をかけると、自分に甘いろくでもない人間になってしまいそうな気がしますよね。

ですが実際は逆。

このような言葉をかけ、自分を許し、励ましてあげる方が自制心も責任感も向上します。

自分を許し、励ましてあげるための方法としてスタンフォード大学のケリーマクゴニガル教授が推奨している方法が以下の三つの方法でしたね。

・罪悪感、自己嫌悪の感情を受け入れる

・「人間だもの」と自分を許してあげる

・友達だったら何という言葉をかけて励ましてあげるか考える

次回の記事では、この方法が実際に効果的だったということを示す実験を紹介します。

中には「名言を聞いただけでストレスによる食べ過ぎや無駄遣いが減った」という実験もありますので、興味がある方は次回の記事も是非ご覧になってください!


~参考図書~

まとめ

・「前の晩に飲みすぎた人ほど罪悪感を感じ、次の晩も飲みすぎてしまう」「ダイエット中の人が体重の増加を知ると自己嫌悪に陥り、やけぐいに走ってしまう」などの例からわかるように、罪悪感や自己嫌悪といった感情は、一見、自分を戒め成長するきっかけとなりそうだが、実際は自暴自棄に陥り、投げ出してしまうパターンのほうが多い。

・計画の失敗、自分との約束を守れなかった時に有効な戦略は「自分を許し、励ましてあげること」。意外かもしれないが、自分に思いやりをもって優しく接してあげたほうが自制心も責任感も増す(次回の記事でその内容を示す実験を紹介します)

スポンサーリンク
記事内広告
記事内広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事