辛い感情も認めてあげると心が楽になる。挫折して惨めな気持ちになった時の上手な対処法

今回も習慣化、継続のコツについて書いていきたいと思います。

前回の記事では、罪悪感や自己嫌悪は習慣化や目標達成において挫折につながるマイナス要素ということをお話ししました。

ダイエット中についつい食べ過ぎてしまう。

禁煙中の人が誘惑に負けてたばこに手を出してしまう。

試験のために勉強するはずの予定が、先延ばししてしまった。

運動しようとは思っていても、意志の力が弱くサボってしまうことが多い。

このように自分との約束が守れなかった時に私たちは

「こんなんじゃだめだ!」

「もっとしっかりしないとだめじゃないか!」

と自分を批判し、攻めてしまいがちです。

このように自分に厳しく接することは一見反省を促し、成長する糧となるように思えますが、実際は逆効果。

多くの人は嫌になってしまい、せっかく身につけようとしたよい習慣を投げ出してしまうということが心理学の研究で示されています。

今回の記事では、習慣化や継続で挫折した際に湧き上ってくる「罪悪感や自己嫌悪」に対する上手な対応の仕方を紹介していきたいと思います。

人と比べて自己嫌悪の感情が強く、

「何か良い習慣を身に着けようと思っても、できない自分が嫌になって挫折することが多い」

という方はぜひご覧になってください!

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自己批判は成長につながらない(前回までのおさらい)

まずは前回までの内容を軽くおさらいしましょう。

やろうと決めていたのに自分との約束を守れなかった時、ついサボってしまったとき、私たちは挫折感を感じ、惨めな気持ちになり、自分のことが嫌いになってしまいそうになりますね。

頭の中で

「こんなんじゃだめだ!」

「何で私はこんなこともできないんだ!」

と自分を責める言葉が飛び交います。

このように自分を責め、自分に厳しく接することは、一見、反省を促し、成長の糧になりそうな気がします。

ですが、実は逆効果。

多くの人は自己批判によって気分が沈んでしまい、せっかくやろうと決めたよい習慣を投げ出してしまうということが心理学の実験で示されています。

では、有効な対処法は何なのか?

それは、自分に思いやりをもって接し、許してあげること。

意外に思うかもしれませんが、失敗した自分を優しく許してあげる方が、責任感も自制心も向上します。

(自分を許してあげることで実際に自制心が向上したことを示す実験は、次回の記事で紹介します)

「習慣化」に挫折したときの対処法として、スタンフォード大学のケリー・マクゴニガル教授が推奨するのが以下の三つのステップでしたね。

・罪悪感や自己嫌悪を受け入れる

・人間だものと自分を許してあげる

・親しい友人だったらどのような言葉をかけ励ましてあげるのかを考える

今回の記事では第一ステップにあたる「罪悪感や自己嫌悪を受け入れる」について詳しく解説していこうと思います

(マクゴニガル教授の意見をそのまま紹介という形ではなく、他にも様々な本を参考にしながら私なりにまとめた形となっております。ご了承ください)

罪悪感や自己嫌悪を受け入れる

自分が決めたことを守れなかった時、何かに挫折した時、失敗したとき……自分を否定する言葉が次々と頭の中を駆け巡り、罪悪感や自己嫌悪といった辛い感情が湧き上がってきますね。

罪悪感や自己嫌悪といった嫌な感情を感じると、私たちはついその感情から目を背けてしまいがちです。

やはり人情として嫌な感情というものは感じたくありませんよね。

ですが、たとえ嫌な感情であろうと、湧き上がってきた感情を無視するというのは精神衛生上よろしくありません。

ネガティブな感情を強引に押さえつけようとすると、逆にそのネガティブな感情に意識が向かいます。ネガティブな感情が必要以上に誇張され、精神に悪影響を及ぼしてしまいます。

これは皆さん日常的にも体験したことのあることではないでしょうか。

不安な時、緊張している時、辛い気持ちの時、

「こんなこと考えちゃだめだ!」

「こんな考えは今すぐに追っ払ってしまわなければ!」

と思えば思うほど、逆にネガティブな考えが暴走し、精神的に追い詰められてしまいますよね。

この現象を専門的には「体験の回避」と呼び、近年の心理学では体験の回避こそがメンタルを病む最大の原因のひとつだと考えられています。

※実際に多くの研究でも、日々のストレスが多い人ほど自分の緊張感や不安感を認めるのが苦手なことが分かっています

それでは、習慣化に挫折したときに湧き上がる「罪悪感や自己嫌悪」といった辛いネガティブな感情に対して私たちはどのように対応すれば良いのでしょうか。

それはネガティブな感情であろうと、一旦、素直に認めて受け入れること。

意外に思われるかもしれませんが、ネガティブな感情であろうとも素直に認めて受け入れる方が精神にとってプラスです。

このような姿勢を「受容の精神」といいます。

受容の精神の定義はアメリカのノースウエスタン大学心理学部によりますと

「その瞬間に起きる物事を、そのままに認識すること。楽しいことも辛いことも、起きるままに任せること」

ポイントとしましては、「辛い気持ちも無視したり否定したりせずに受け入れてしまいましょう」ということですね

実際にも受容の精神は多くの心理療法で取り入れられており、効果も確認されています。

例えば、一部のアルコール中毒や神経症の治療現場では、セッションを開始する前に、次のようなフレーズを患者に暗唱させます。

「変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ」

これは、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバーが作った詩の一節です。治療前にこの言葉を暗唱することによって、患者はネガティブな感情を受け入れる土台をつくります。

実際にも、この心構えがあるとなしでは、治療の効果に大きな差が出ることもわかっています。

誰でもつらいネガティブな感情は感じたくありません。

ですが、生きている限り嫌なこともつらいことも避けることはできず、ネガティブな感情からも逃れることはできません。

ですので、例えネガティブな感情がわき上がってきたとしても、それを素直に認め、受け入れるという姿勢が大切となってきます。

感情は無視しようとすると暴れます。

逆に、ネガティブな感情を素直に受け入れられるようになると、辛い気持ちが緩和され、心が楽になります。

ネガティブな感情を認める方法

実際に習慣化に挫折し、罪悪感や自己嫌悪といったつらい感情が出てきたときに素直に感情を受け入れるための方法をふたつ紹介します。

どちらか気に入った方法を試してみてください。もちろん、併用していただいても構いません。

嫌な気持ちを紙に書く

一つ目はメンタルライディングという方法です。

やり方はとても簡単。頭の中に湧き上がってくる嫌な気持ちを素直に紙に書き出します。

この方法には、ネガティブな感情を認めるという効果に加え、頭の中だけにとどめておかず、吐き出してしまうという効果もあります。

嫌な気持ちを紙に書き出すという本当に簡単な方法で、つらい気持ちが緩和され、気持ちが楽になります。

実際にも、スペインのバスク・カントリー大学のダリオ・パエス博士が行った実験によりますと、50人の被験者に「どんな時に嫌な気持ちになったか?」という日記を毎日20分かけて三日間書いてもらったところ、日記を書いた後は、ポジティブな気持ちが10%高まることが分かりました。

(参考図書:逆境を突破する技術 著 児玉光雄)

簡単ですぐにでも実行できる方法ですね。気になった方は是非試してみてください。

気持ちを認めてあげる言葉をかける

続いて、私がメインで使っている方法を紹介します。

こちらは自分の気持ちを認めてあげる言葉をかけるという方法。

習慣化に挫折してしまった時、何かに失敗して自分のことが嫌になってしまいそうになった時、以下の言葉を自分にかけてみてください。

「つらい気持ちになっても大丈夫。人間だから時には自分を責めて辛い気持ちになったり、嫌になって投げ出したくなるのも当たり前」

このような言葉をかけてあげると凄く気持ちが楽になるのではないでしょうか。

それは、つらい感情を抑圧せずに認めてあげられたからです。

「人間だから、つらい気持ちになるのも当たり前」

このように自分の感情を素直に認めてあげるような言葉をかけてあげると本当に心が楽になります。

ネガティブな感情を抑圧してしまう人ほど試していただきたい方法です。

ネガティブな感情を抑圧してしまう理由

なぜ私たちは辛い感情が湧き上がってくると素直に認めることができず、抵抗したり無視したりしてしまうのでしょうか

「ハーバードの人生を変える授業」の著者、タル・ベン・シャハーによりますと、それは幼い頃の記憶が関係しているそうです。

「辛いことがあっても歯を食いしばって頑張れ」

「こんなことで泣いちゃだめだ」

「人前で緊張しておどおどするな。みっともない」

私たちの多くはこのように不安や緊張、辛い感情を押さえ込むように教えられ、育ってきました。

幼い頃からの習慣を変えるというのは難しいことです。私たちが辛い感情を素直に認めたり表現したりできないのもそのためです。

ですが、これまで述べてきた通り辛い感情から目を背けるというのは精神衛生上よろしくありません。

辛い感情を抑圧しようとすればするほどその感情は強くなってしまいます。

自分を成長させもう一度立ち上がる力を得るためには挫折感であろうが、自己嫌悪であろうが、まずは一旦受け入れる。

「人間だからこういう辛い感情がでてくるのも当たり前」

自分にそのような言葉をかけてあげ、素直に感情を認めることで気持ちが楽になり、また立ち上がるための元気もわいてきます。


自分の気持ちと素直に向き合うことの重要性を示している言葉を、引用にて紹介させてもらいます。

しっかり向き合うということは、物事を変えようとせず、あるがままに見るということです。そのときに感じていることを否定したり、感情を遮断しないでください。つらい感情に焦点をおき、開かれた心で受け入れ、しっかり味わうことでそのつらさを解消することができるのです。

引用:ハーバードの人生を変える授業 著 タル・ベン・シャハー

西洋と東洋の心理学の両方を取り入れているセラピスト、タナ・ベネット・ゴールマンの言葉です。

「嫌な感情が出てきても、否定せずにそのまま受け入れる」。受容の精神を積極的に養っていきたいですね。

ネガティブな感情を受け入れるメリット

個人的に感じる辛いネガティブな感情も素直に受け入れるという方法のメリットは、立ち直りが早くなるということです。

つらい感情を素直に受け入れることができると、気持ちが楽になります。気持ちが楽になると「またもう一度頑張ろうか」という前向きな気持ちにもなれます。

ネガティブな感情を認めることができずに抑圧してしまうという方ほど試していただきたい方法です。

終わりに

今回の記事では、習慣化や継続、目標達成において挫折の原因となる自己嫌悪と罪悪感に対する対処法をお伝えしました。

自分の決めたことを守れなかったり、失敗したとき、頭の中でぐるぐると自分を否定する言葉が飛び交い、凄くつらい気持ちになりますね。

そのようにつらい感情を感じたときは、無視しようとしたり、無理に追い払おうとしてしまいがちですが、実はそれは逆効果。

例えつらい感情であろうと、一旦、素直に受け止めてあげる方が気持ちが楽になり、再度立ち上がる元気もわいてきます。

挫折してつらい気持ちになったときは、勇気を持ってつらい感情を受け止めてみてください。

すっと心が楽になると思います。

そして、一旦、心が落ち着いたら次は挫折した自分を許し、また立ち上がるための元気を与えてあげます。

次回の記事では、どのような言葉をかけ、自分を元気づけるのが効果的なのかについて書いていこうと思います。

※前回の記事では、「名言を聞いただけでストレスによる食べ過ぎやムダな買い物が減ったという実験を紹介します」と書きましたが、メンタルライティングの方が直感的に理解しやすいかなと思い内容を変更させていただきました。前回の記事の該当部分も修正させていただきます。ご了承ください。

主な参考図書

「超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド 著 鈴木祐」

「ハーバードの人生を変える授業 著 タル・ベン・シャハー」

まとめ

・挫折した際に感じる「罪悪感や自己嫌悪」に対する正しい対処法は、一旦、その感情を認めてあげること。ネガティブな感情を強引に抑え込もうとしたり、無視したりしようとすると、逆にネガティブな感情が暴れて精神状態が悪化する。

・罪悪感や自己嫌悪を受け入れるための方法としては、辛い気持ちを素直に紙に書きだす「メンタルライディング」と「感情を認めてあげる言葉をかける」というふたつの方法を推奨します。どちらでも気に入ったほうを試してみて下さい。

・辛い感情を受け入れるとことで感じるメリットは「立ち直りが早くなる」ということ。ネガティブな感情を否定せずに受け入れることによって、気持ちが楽になり、また立ち上がるための元気もわいてくる

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