不安を無視しようとすると逆に暴走するよね?というお話

今回はタイトル通り、不安を無視しようとすると逆に暴走するよね?というお話をしていきたいと思います。

「不安なんて無視しちゃえばいい!とにかくポジティブだ!」

という安易なポジティブシンキングで失敗してるという方は是非ご覧になってください。

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ネガティブな感情を無視するのは逆効果だ!というACTの見解

前回も軽く紹介したのですが、第三世代の認知行動療法といわれているACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)では、不安を消し去ろうとしたり、ネガティブな思考を無理矢理ポジティブに変換するといったことはしません。

例え不快な思考・感情であろうと、それを受容し(アクセプタンス)、共存していく方法を学ぶというのがACTの特徴です。

私自身がACTを実践しているというわけではないのですが、ACTのネガティブな感情に対する認識にとても共感できるので、主に理論面を中心に紹介していこうと思っています。

今回の記事で紹介するのはACTの理論の中でも中核を占める「ネガティブな思考や感情を無視するのって逆効果だよね?」というもの。

ACTを取り扱った書籍「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない 著 ラス・ハリス」を参考に見ていきましょう。

※今回の引用させていただく記述はすべて上記図書からの抜粋です。

不安は無視すると暴れる

これは誰しも経験があるのではないかと思うのですが、強い不安感が襲ってきたときに多くの人がとる対処法は「不安を無視する」というものです。

自分の将来について強い不安を抱いたり、今の自分を卑下するネガティブな言葉が頭を渦巻くとき・・・

私たちはほぼ無意識的に「こんなこと考えちゃだめだ!」と不安を無視する傾向があります。

このように不安を無視したり消し去ろうとする=不安をコントロールしようとする戦略を参考図書では「思考制御」や「コントロール戦略」と呼んでいます。

しかし、この思考制御という方法で強い不安感にうまく対処できていると感じる方は少ないのではないでしょうか。

不安を無視しようとすればするほど不安が頭にこびりついてしまったり・・・

イライラなんてしていない!と信じ込もうとすればするほどイライラがつのっていったり・・・

私が実際にそうだったのですが、不安を無視しようとすればするほど逆に不安にがんじがらめになるという訳の分からないループにはまってしまいました。

参考図書でもこの思考制御作戦で不安を追い払うことはできず、むしろ逆効果だと主張しています。

思考制御は苦痛な思考やイメージを能動的に頭から追い出してしまうやり方だ。望まない思考が起こったとき、自分に言い聞かせる。「そんなこと考えちゃだめだ!」「やめろ!」。あるいは精神の力でそれを追いやろうとする。研究は、短期においてはこの方法が有効なことを示している。しかししばらくすると反動が起きる。ネガティブな思考は前より頻繁に、そしてさらに強くなって戻ってきてしまうのだ。

私たちは幸福になるために嫌な感情を排除しようとする。だが、排除すればするほど、感情は再生産される。

本当にそうなんですよね。不安を無視して一時的に心が楽になることはあっても、結局は不安が何度もぶり返してきて逆に精神状態が悪化するケースが多かったです。

不安なんて無視すればいい!→やった!心の問題が解決した!

というケースはまずないですよね。

なぜ思考制御はうまくいかない?

なぜ懸命に思考をコントロールしようとしてもうまくいかないのでしょうか?

その問いに対する著者ラス・ハリスの解答は「そもそも思考をコントロールする力は思っている以上に弱いから」

思考や感情をコントロールする力はごく弱く、それらを自分が望むようにはできない。まったく不可能なわけではないが、世の「専門家」たちが主張するほどにはコントロールできないのだ。

一生懸命思考をコントロールしようと試みても、元々思考制御(思考コントロール能力)にそこまでの力はないので、いくら頑張っても大した効果はないよってことですね。

こちらもほぼ同感です。特に私のように根がネガティブな人ほど共感できる内容ではないでしょうか。

また、何度も不安がぶり返してくる現象に関してとてもわかりやすい例え話がありますので、こちらも引用で紹介します。

ところが、多くの人が悲観を受け入れることを拒否する。悲観を感じるよりも何かの行動をしてしまう。仕事に没頭したり、酒を飲んだり、相手かまわず新しい関係に入れ込んだり、薬で無痛覚になろうとしたり。だが、いくら悲観を追いやっても、それは心の奥深くに留まり、再び戻ってくる。ちょうどボールを水中に沈めているようなものだ。押し沈めている限り水面には現れないが、手が疲れてボールを離すとすぐに浮かび上がってくる。

ほんとこれなんですよ(笑)

不安やイライラ、緊張感といったネガティブな感情って何らかの方法で一時的に抑えることはできても、少しでも気が緩むとすぐに戻ってきたりしちゃうんですよね。

水中にボールを沈めても、手を離すとすぐにポーンと戻ってくる感じ。

私の場合は何か他のことをするというより、不安を無理やり意志の力で抑えようとすることが多いですが、その場合も同じですよね。

更に、不安などの不快な感情を無理に制御するのは逆効果だ!という意見も。

だがちょっと考えてみてほしい。不快な思考や感情を追い払う努力が人生を余計に悪くしているとしたら?ACTではこういう時によく言う決まり文句がある。「解決しようという努力が問題を作り出している!」

ここは不安障害をなおした人の共通点で述べた内容と一致しますね。

「不安と戦うのはやめた方がいいよ」

ということを他の不安障害克服者も語っていました。

私のケースでも、不安障害を忌み嫌って追い払おうとすればするほど症状が悪化し、逆に不安障害を受け入れたときを起点として少しずつ回復に向かっていきました。

不安って無理に消し去ろうとしたり制御しようとするよりも、受容したり、うまく共存する方法を学ぶ方が懸命なんですよね。

ネガティブな人はネガティブな人なりのメンタル対策を考えよう

念のため断っておきますが、私としては「不安って意外にメリットもあるよ」という風に認知を変える方法も推奨していきますし、物事の捉え方も重要だと思っています。また、ある程度不安を和らげることはできるし、そのようなアプローチも有効だと思っていますので、完全にこの本の主張に賛同というわけではありません。ですが、「不安を忌み嫌ったり、無理に排除しようという方法は逆効果」という考えはその通りだと思いますので今回紹介させてもらいました。

当ブログは不安障害を取り扱ったブログですので、元々不安感情が強いネガティブな性格に悩まされている方も多いと思います。

※不安障害の一種である社会不安障害の患者さんは、元々不安感情が強い不安気質であるケースが多いそうです。

参考図書・「正しく知る不安障害 著 水島広子」

※また、こちらの報告によると、主な不安障害の遺伝率は30%~50%とのこと。ちなみにうちは父親がほぼ社会不安障害のような感じです(医者には通ってないけど社会不安障害を経験した私から見て)

参考URL:「不安障害の遺伝研究

元々不安感情が強い人ほど、不安を受け入れて共存していくという方針も検討されてみてはいかがかなと思います。

何度か紹介していますけど、不安や傷つきやすさ、劣等感、抑うつ感、悲観的傾向に関わる情緒不安定性の遺伝率が46%ですので、自分の気質を考えたメンタル対策を考えることが重要ですね。

関連記事・「ネガティブな性格の遺伝率は46%!!性格の遺伝を受け入れて自分と向き合う

遺伝で性格のすべてが決まるというのは誤りですが、調査の結果、約半分も影響度があるものを「そんなの関係ない!」と無視するのは現実的ではありません。ネガティブ感情が強い人はネガティブ感情が強い人なりのメンタル対策を学んでいきましょう。

(私が以前、遺伝なんて関係ない!という立場でしたが、ありとあらゆる精神的努力を重ねた結果、もって生まれた気質を無視するのは無理があるという結論に達しました。もともと不安が強い人は、不安をやつけようとすればするほど、巨大化した不安にボコボコにやられますのでオススメしません笑)

次回は「何で不安やネガティブな感情ってコントロール不可能なの?」という疑問について更に見ていきたいと思います。

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